「キングオブコントは年々レベルが上がっている」と言われる一方で、「昔の方が面白かった」と感じる声も少なくありません。特に2012〜2015年のバイキング、さらば青春の光、コロコロチキチキペッパーズなどが出ていた頃を懐かしむファンは多いでしょう。本記事では、なぜそう感じる人が多いのか、そして実際にキングオブコントの傾向がどのように変化しているのかを詳しく見ていきます。
1. 昔のキングオブコントが「面白かった」と感じる理由
2010年代前半のキングオブコントは、いわゆる「勢い」と「個性」で勝負するコンビが多く、ライブの空気感がそのままテレビに乗っていた印象があります。バイキングのテンポの良いボケや、さらば青春の光の独自の世界観、コロチキのキャラクター性が強いネタなど、観客が笑いの勢いに引き込まれる瞬間が多くありました。
また、この時期は“尖った芸風”を持つ芸人が多く、審査員よりも視聴者が主導で盛り上がる構成だったため、自由でラフな笑いが多かったことも「面白かった」と感じる要因の一つです。
2. 現在のキングオブコントは「完成度の高いネタ合戦」へ
一方で、近年のキングオブコントは「構成力」や「演技力」を重視する傾向が強くなっています。ネタの構成が映画的で、起承転結がしっかりしているため、笑いだけでなく“ストーリー性”を感じさせる作品が増えました。審査員もベテランコント師が多く、技術的な評価基準が高まったことが影響しています。
たとえば、かが屋や空気階段、ビスケットブラザーズなどのネタは、演技力・脚本力・演出力が融合した完成度の高い作品として評価されています。その分、「爆笑」というより「感心する笑い」へと変化しているとも言えるでしょう。
3. 視聴者層の変化と笑いの価値観
キングオブコントの面白さの感じ方は、視聴者層の変化にも影響を受けています。SNS時代になり、短尺動画や切り抜きでコントを楽しむ人が増え、テンポの良さや“ツッコミやすさ”よりも“余韻のある笑い”が好まれる傾向になりました。
昔のコントは「瞬間の笑い」を重視していましたが、今は「ネタ全体で世界観を見せる」方向へ。どちらが優れているというわけではなく、笑いの楽しみ方そのものが多様化していると言えます。
4. 審査基準と番組構成の変化
近年は審査員のコメントや演出のテンポも変化しています。昔は芸人同士の“空気感”で笑いが生まれていたのに対し、今は演出面や編集が整っており、テレビ番組としての完成度が高まっています。その結果、視聴者によっては「生っぽさがなくなった」と感じることも。
また、参加組数の増加や出場者層の広がりにより、バラエティ性が高まる一方で、尖ったネタが決勝に残りにくくなっている点も指摘されています。
5. 昔と今、どちらが「面白い」か
結論として、「昔の方が面白かった」と感じるのは自然なことです。2010年代前半は“ライブ感のある笑い”が中心で、視聴者の感情を直接刺激するネタが多かったのに対し、現在は“完成された構成美”が評価される時代です。
つまり、笑いの基準が変化しているだけで、レベル自体が下がっているわけではありません。それぞれの時代に応じた「面白さの形」があるということです。
まとめ
キングオブコントの「昔の方が面白かった」と感じるのは、笑いのスタイルや演出の変化によるものです。2012〜2015年ごろは勢い重視の笑い、現在は構成重視の笑いへと進化しています。どちらの時代にもそれぞれの魅力があり、自分の好みに合ったスタイルを楽しむのが一番です。来年の大会も、どんな新しい笑いが生まれるのか注目していきましょう。
コメント